─プロローグ─
人類は一概に、”健常《ユージュアリー》”と”異常《ディスオーダー》”の二つのタイプによって成り立って居る。
その内の大半は、健常《ユージュアリー》が占めており異常《ディスオーダー》は少数に成って居る。
そして稀に、その中間的性質の”微弱《ボーダー》”と言うタイプが生ずる場合も有る。
異常《ディスオーダー》には症状《ペキュリアル》と言う特性が有り、其れには様々なタイプが存在して居て、
大きく例を挙げれば、脳の使用率を自由自在にして、極限までの知能を得ると言う物や、筋力の使用の限度が無い事によって、全身の運動量を自在に支配出きると言った物が有る。
世の中は健常《ユージュアリー》達の考え方によって動いて居るが、この様に特異な能力を持つ異常《ディスオーダー》達の力が無ければ、今の文明や技術の発展は遅れて居た。
しかし、そうで有るのにも関わらず、多くの健常《ユージュアリー》は異常《ディスオーダー》を悪く貶して居る。それは、
異常《ディスオーダー》はその特異な能力と同時に、健常《ユージュアリー》に劣る部分も持ち合わせて居るからだ。
例を挙げれば、情緒が安定しなかったり、人と上手く関わりを取れなかったり、相手の言動を聞き受けない等と言った、社交性に障壁をもたらす欠点が有る。
ただ、それらの事に理解が有る健常《ユージュアリー》やごく少数の微弱《ボーダー》による、異常《ディスオーダー》への理解を求める団体も多数存在して居る。
この様に、健常《ユージュアリー》の異常《ディスオーダー》へ対する考え方は賛否両論な物で、
健常《ユージュアリー》と異常《ディスオーダー》の違いを区分けて隔てる事をせず、同じ人間として平等な物とする、或いは危険性故に、異常《ディスオーダー》を強制的に排除するべきと言った物がある。
しかしある時、そんな世の中から異常《ディスオーダー》を強行的に陥れる様な出来事が起こる。
それは2046年の事だ、イギリスを初めとした各国の政府機関に、異常《ディスオーダー》による合同無人機爆撃テロが発生した。
それにより被害を受けた国家は異常《ディスオーダー》を危険な存在と見做し、国民や団体の反対を聞き受ける事無く、被害国同士でとある条約を結んだ。
その条約は、異常《ディスオーダー》及び微弱《ボーダー》全般を、武力を持ってして無差別に殺戮排除すると言う物だった……。
彼らは微弱《ボーダー》ですら予備軍扱いに殺戮対象にしたが、実際はそれだけに止まらず、匿えば同じ健常《ユージュアリー》すら攻撃する事があった。
また、異常《ディスオーダー》と微弱《ボーダー》は”障害《レジスタンス》”と言う名前を与えられ、何処へ逃げても至る所へ無数に送りつけられた殺戮兵に見つかって殺害され、最早逃げ場等無かった。
更には、条約を結んで居ない他国であっても関係なく殺戮兵を進入させ、抵抗すれば無条件に兵力を行使して防衛を突破し、伴われる犠牲すらも無視して強行的に殺戮を続けて行った。卑劣にもそうする事で彼らは亡命と言う手段すら無い物にし、障害《レジスタンス》から生きる希望を奪い去った。
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現在ここまでいった（今更）
