雑談掲示板

Re: 木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!! ( No.774 )
日時: 2014/06/14 16:08
名前: L ◆2chAQX/Nak (ID: bPDqEDL.)
参照: 両生類です ちなみに天草式十字凄教の教皇代理ですξ(・(ェ)・)

「―――ええい! くそっ! くそっ! あーもうちくしょー不幸すぎますーっ!!」
我ながら変態じみた叫び声だと思いつつも上条当麻は凄まじい逃げ足を止めようとしない。
深夜の裏路地を走り抜けながら、チラチと背後を振り返ってみる
8人。
もうかれこれ2キロ近く走り回っているのに、まだ8人。無論、元外国人部隊のコックさん
でもなければ現代まで生き残った機甲忍者でもない上条当麻にはこの人数相手にケンカをした
って勝ち目はない。元より、高校生同士のケンカなんて1対3を越えたら話にならない。実力
うんぬん以前にまず『無理』だ。
薄汚れたポリバケツを蹴飛ばし、黒猫を追い払うように上条は走り続ける。
7月19日。
そう7月19日が悪いのだ。明日っから夏休みだーっ! などと尋常ではないハイな気持
ちになったからこそ、書店では表紙を一目見ただけで地雷と分かるマンガを手に取り、お腹も
すいていないのに一丁豪華に無駄食いするかーっ! とファミレスへ入り、明らかに酔っ払った
不良に絡まれる中学生くらいの女の子を見て、思わず助けてやっかなー、とか常軌を逸した思
考回路が働いてしまったのだ。
まさかトイレからぞろぞろ仲間が出てくるとは思わなかった。
集団でトイレへ行くのは女の子の特権だと思って今した、はい。
「・・・・・・結局頼んでた苦瓜と蝸牛の地獄ラザニアくる前に飛び出しちまったし、まだ食っても
ないのに食い逃げ扱いされるし。あーもう何なんですかこの不幸は!?」
ぐぎゃあ! と頭をかきむしりながら上条は裏路地から表通りへ一気に飛び出す。
月明かりの降りる『学園都市』は、東京都の3分の1ほどの大きさを持つにも関わらず、ど
こもかしこもびっしりとカップルだらけだった。きっと7月19日だ。7月19日が悪いんだ
と独り身の上条は心の中で絶叫する。あちこちに立つ風力発電の3枚プロペラが青白い月明か
りと夜景の光を浴びて独身貴族が流す涙みたいにギラギラ光っている。
上条はカップルを引き裂くように夜の街を突っ走る。