「Aren't you?」
気がつくと、俺はどこかの道路に横たわっていた。
目の前には人。警察官みたいな格好をしている。
お互いに見つめ合っていると、いきなり質問を投げかけられた。
「Excuse me, but aren't you the Korea?」と。
いきなり英語で話しかけられて混乱した。
そこでふと思う。ここは外国なのか?
周りを見渡そうとしたが、なぜか首が動かない。
ここはどこなんだ?
そんなことを考えていると、相手がまた同じようなことを聞いてきた。
「Sorry. Let's go again, excuse me, but you're the Korea, aren't you?」
俺は英語が苦手で、中学2年生の後半で完璧に諦めてしまったのだが、
こちらが日本人なのを知っているかのようにゆっくり話してくれたので、なんとか聞き取れた。
たぶん、「韓国人じゃありませんよね?」と言っているようだ。
ちなみに、自己紹介をしていなかったが俺は日本人だ。
ちょっとした建築関係の仕事をしている。
好きな食べ物はグレープフルーツ。グレープフルーツって嫌いなやつ多いよな。
酸っぱいからだめとか言ってるやつは、まずは高級なグレープフルーツをかってから言え。
グレープフルーツは本来甘酸っぱいフルーツだから。
おっと、自己紹介するとキリがないのでここでストップ。
しかし、なんで韓国人なんだ?
いや、あっちの人から見たらアジアなんてどこもほぼ同じだよな。
日本人がブラジルとスペインが同じようなものだと思ってるもんだ。
ってことは、ここはやっぱり外国なのか?
いや、ここが外国だという証拠はどこにもないな。
ちょっとした事でどっかの外国人に話しかけられてるだけだろう。
って、こんなこと考えてる暇ないだろ。ちゃんと聞き取れたんだから、返さないとな。
えーっと、「韓国人じゃありませんよね?」だから、「はい、違います」と答えればOKなんだよね。
じゃあ、「Yes. I'm not」が正しいのか。
いや、もしかしたら間違ってるかも。ピリオドとコンマどっちだっけ?
…まぁ、とりあえず言ってみよう。通じなかったら紙に書けばいい。
「Yes. I'm not.」
と言ってみた。
しかし、次の瞬間…
気がつくと、俺は空を見ていた。
そして、大切な事に気づいてしまった。
英語、もっと勉強したほうが良かったな…
疑問文にすらまともな答え方ができないなんて。